鏡の表面をサンドブラストで削って絵柄を表現した、エッチングミラーの製作手順です。マスキング工程やサンドブラスト工程で使用する道具・作業手順・注意点などを説明しています。
当工房は建築用のエッチングミラーの製作も行っています。興味のある方は、こちらもご覧ください。
コピー用紙などの白い紙に、彫刻を施す鏡の大きさに合わせた原寸大の図案を、鉛筆で塗り絵の線画のように描きます。バラの花やつぼみを茎でつないでリング状にデザインしたものを描いてあります。
鉛筆で図案を描くわけは、図案をマスキングシートに転写する工程で、図案を描いた紙を水でぬらしブラシでこすって剥がす際、描いた図案が水に溶けて消えてしまうのを防ぐためです。
彫刻を施す長方形の鏡です。鏡の表側から彫刻を施します。多段彫りは平彫りに比べ深く掘りこむので、鏡の厚さは5mm以上は必要です。
鏡にマスキングシートを貼り付けたとき、粘着力が落ちたり、細かなゴミがマスキングシートと鏡の間に入り込まないように、表面をきれいに洗浄します。仕上がりや作業性に大きく影響するので、丁寧に水洗した後、しっかりと乾かします。
サンドブラストで使用するマスキングシートです。樹脂シートの片面に粘着剤が塗布してあり、その粘着剤を保護する裏紙が付いています。
鏡の大きさよりも一回り大きなものを準備します。
マスキングシートの裏紙の端を2cm幅ほどめくって粘着面を露出します。
マスキングシートが鏡全体を覆うように位置合わせをした後に、先ほどめくっておいたマスキングシートの粘着面を鏡に押し付けます。
裏紙を少しずつ剥がしながら、指で粘着面を鏡に押し付けていきます。しわや、マスキングシートと鏡の間に気泡が入らないように注意します。しわや気泡が入った場合は、その部位まで剥がして貼りなおします。
鏡にマスキングシートを貼り終わった状態です。サンドブラスト中にマスキングシートが剥がれてくるのを防ぐために、鏡との間に気泡が入ってないことを確認します。気泡があった場合は、気泡を針で刺した後、中に入っている空気を指で押し出します。
鏡のサイズより大きいマスキングシートを貼り付けたので、鏡からはみ出しているマスキングシートをカッターナイフで切り取ります。
鏡の4辺からはみ出しているマスキングシートをカットし終わった状態です。
図案の紙をマスキングシートに貼り付けるために、マスキングシートの上に両面粘着シートを貼り付けます。
ロール状の両面粘着シートを、マスキングシート全体を覆うように位置合わせをした後、端から2cm幅ほどの粘着面をマスキングシートに押し付けます。
両面粘着シートの裏紙を少しずつ剥がしながら、指で粘着面をマスキングシートに押し付けていきます。しわや気泡が入らないように注意します。
鏡の上に貼り付けたマスキングシートに、剥離紙が付いている両面粘着シートを貼り終わった状態です。両面粘着シートに図案の紙を貼り付ける際、しわや位置ずれを起こさないように、両面粘着シートとマスキングシートの間に気泡が入ってないことを確認します。気泡があった場合は、気泡を針で刺した後、中に入っている空気を指で押し出します。
次に、鏡からはみ出している両面粘着シートをカットします。
マスキングシートの上に貼り付けた両面粘着シートの剥離紙の端を2cm幅ほどめくって粘着面を出します。
鏡に対し図案の位置合わせをした後に、先ほどめくっておいた粘着面に図案を貼り付けます。このとき、両面粘着シートの粘着面に、図案が書いてある面を貼り付けます。
両面粘着シートの剥離紙を少しずつめくって図案を貼り付けていきます。
図案を貼り付ける際、しわにならないように、端から順に少しずつ貼り付けていきます。図案の表面を、手のひらでなでるようにして貼り付けると、きれいに仕上がります。
図案の貼り付けが完了した状態です。
やわらかい布で図案の紙をこすって、しっかりと粘着シートに押し付けます。
両面粘着シートから図案の紙を剥がすために、紙を水でぬらした後、ブラシで擦ります。
ブラシで擦ることにより、図案の紙を剥がし取ります。紙が剥がし取られた後は、両面粘着シートの粘着面に、鉛筆で書いた図案(黒鉛)が転写されています。
図案の紙を全て剥がし取った状態です。両面粘着シートに図案がきれいに転写されています。
次に、剥がした紙のくずを取り除くために、水洗し乾燥します。
カッターナイフで転写された図案の線に沿ってカットします。
最後にカットし忘れたところがないか確認します。カットし忘れをなくすコツとしては、一筆書きのように図案の線に切り込みを入れます。
サンドブラスト加工で使う縦1.5m×横1mぐらいの箱状のキャビネットです。前面の扉には、作業時に内部を見るための小窓と、扉を閉めたまま内部に手を入れて作業するための手袋が付いていて、閉された装置となっています。
このキャビネットの中で、鏡にサンドブラスト加工を行います。下の部分には金剛砂がたまっていて、それをエアーの圧力で吸い上げブラストガンから吐出してサンドブラスト加工を行います。加工中は金剛砂や削られたガラス粉がキャビネット内を舞うため、それらを吸い取るために、集じん機につながるホースが付いています。
キャビネット内部で使うサンドブラストガンです。本体は金属製で、先端のノズルの横にキャビネット内の金剛砂を吸い上げるホース、グリップにはコンプレッサーからのエアーを供給するホースがつながっています。エアーを吐出すると圧力で金剛砂が吸い上げられ、先端ノズルから砂の混ざったエアーを吐出して彫刻します。エアーのオンオフは、足元にあるフットスイッチで電磁弁を開閉します。エアー圧・金剛砂の粒度・砂を当てている時間や回数によって、彫刻する深さを調節します。
先端のノズルはセラミック製で、使用しているうちに金剛砂によって摩耗され内径が大きくなってきます。内径が大きくなると、金剛砂が広がって吐出されるため作業効率が悪くなるので、その場合はノズルを取り換えます。
サンドブラスト用の研磨材として使用する金剛砂です。彫刻する細かさや面積によって金剛砂の粒度を変えます。
使用しているうちに粒が軽く(細かく)なり、作業効率が悪くなるので、新品の金剛砂を補充します。
サンドブラスト(彫刻)する部位の両面粘着シートとマスキングシートを剥がします。
多段彫りの場合、彫刻する図案の各部位には上下関係があるので、一番上にくる部位を最初に彫刻します。
鏡表面に粘着剤が残らないように注意します。
キャビネット内で鏡にサンドブラスト加工します。サンドブラストガンから吐出した砂で、マスキングシートをはがした部位の外枠の線をなぞるように彫刻します。
彫刻する深さは、吐出するエアーの圧力や金剛砂の粒度、砂を当てている時間や当てる回数によって調節します。また、砂はできるだけ鏡に対し垂直に当たるように、サンドブラストガンを動かします。
鏡を1mmほど掘り込んだ状態です。狙いの深さまで掘り込んだら、次に彫刻する部位の両面粘着シートとマスキングシートを剥がして同様に彫刻していきます。
サンドブラスト工程の途中です。
カットした部位を、1枚1枚剥がして彫刻していきます。
カットされたブロックごとに彫刻していくので、非常に時間が掛かります。
彫刻し忘れたところがないかチェックし、ないようであれば鏡全体を水洗して砂やガラス粉を落とします。特に彫刻部は細かな砂やガラス粉が付いていて、水を当てるだけではきれいにならないので、やわらかいブラシでこすって水洗します。
水洗後、乾燥して彫刻部に汚れが残ってないか確認します。汚れが残っていた場合、水洗しなおします。汚れが残っていると、次の工程で彫刻部にコーティング剤を塗装したとき、スジやムラができて仕上がりに影響が出るので、念入りにチェックします。
彫刻部の汚れ防止用に、2液型のコーティング剤をスプレーガンで塗装します。一度で塗ろうとするとコーティング剤が垂れてくるので、2〜3回に分けて吹き付けます。
24時間ほど放置してコーティング剤を乾燥させた後に、両面粘着シートとマスキングシートを剥がします。
額縁に彫刻を施した鏡を入れればエッチングミラーの完成です。
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